2016年12月31日土曜日

「ローグ・ ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」

劇場:東宝シネマズ新宿

今年はスター・ウォーズに始まり、スター・ウォーズに終わる年だった。

前半はあまり乗り切れず、構成もなんかよくわかんなくてついていけなかったけど、後半の長い戦闘シーンは最高だった。
あのハワイ感溢れる惑星で、ノルマンディー作戦が繰り広げられているだけでテンション上がる。
しかもAT-ATもちょっとだけ登場!

なんといっても、ラストがとても斬新だった。
主人公たちの結末はスター・ウォーズシリーズとしては全く新しいものじゃないでしょうか。

こんなにも壮大な伝説を未だ作り続けていることに感動。
人類の夢だな。

2016年12月30日金曜日

「ロング・グッドバイ」

初ロバート・アルトマン。
恐らく「M★A★S★H」も「ゴスフォード・パーク」も未鑑賞。

チャンドラー原作の映画化というのに、とてもふわふわした印象だった。
本当に推理小説なのかと疑いたくなるほど。
チャンドラー読んだことないからなんとも言えませんが。

ジャズと、夜景と、むせかえるようなアンバーの雰囲気が素晴らしかった。

2016年12月29日木曜日

「ラリー・フリント」

ミロス・フォアマンの「アマデウス」から二本目の映画。
高校の時からこのポスターがひどく印象に残り、やっとの鑑賞。

ポルノ雑誌「ハスラー」を創刊したラリー・フリントの伝記。
彼と奥様がシドとナンシーにしか見えなくてかっこよすぎた。
裁判所で「キリストに愛された」と悶える奥様のシーンが最高だった。

どうでもいいけど「ストレイト・アウタ・コンプトン」からエイズの流れがきている。

2016年12月28日水曜日

「ストレイト・アウタ・コンプトン」

N.W.A.の伝記映画。

ヒップホップは無知なのですが、聞いたことのある人や、「ファック・ザ・ポリス」のくだりがあったのでテンション上がった。

映画も音楽も、常に反骨の精神と共に歴史を歩んできたのですな。
日本もそろそろ戦争の一つや二つ起きないとやばい。

2016年12月22日木曜日

「電柱小僧の冒険」

塚本晋也の初期作、とは知っていたが、これがPFFのグランプリ作品だったのか。

電柱小僧vs新撰組vs坂本龍馬vs綾波レイvsミサトさん!!
ハイテンションな登場人物たち、爆笑か全く笑えないかの両極端なギャグ、パンクな音楽、そしてあのコマ撮り!
全部最高!

全てが無理やりすぎて涙が出る。
あとナウシカとエヴァ臭をとても感じた。
その辺の関係考えると面白そう。

「スポットライト 世紀のスクープ」

カトリック教会の性的虐待の史実。

結構古いと事件だと思っていたら、911の時だったのか。
衝撃。

無駄なドラマをそぎ落とし、記事を書くきっかけから書き終わるまでをひたすら描いていてとてもよかった。
面白かった!

2016年12月21日水曜日

「エヴォリューション」

劇場:渋谷アップリンク

予告を見てなんだこの映画は!とテンション上がり、監督名を見てやめとこうと思い、でももしかしたら傑作かも…という凄まじい迷いの中鑑賞。

結果、観てよかった!!
なんといっても映像美。
ラストの、母が口づけをしながら子を海の奥へと引きずり込んでいく映像は戦慄を覚えた。
今年ナンバー1のシーンでございます。
あと、みんなで夜な夜な帝王切開の映像を見て勉強しているシーンに萌えた。

物語に関してはあの母たちの存在だけが未だ腑に落ちず。
監督も「感じる映画だ」と言っているので、考えても仕方ないのですが、個人的に落とし所は”人魚”しかなかった。
人魚って女しかいないよね→じゃあこうやって生殖するのかな…という安直な結論。
”サキュバス”かなとも思ったのですが、牛乳的な表現がなかったのでおそらく違う気がする。
素直に「感じる」なら、ブギーマンとかをもっと寓話的に落とし込んだ”恐怖の象徴”なのでしょうか。

それにしても、なぜあんなに劇場に女子が来ていたのか謎。
8〜9割女子だった。
前作のおかげなのか、それともプロモーションでもっとなにかあったのか。

追記:
船に母と子が乗っていた。
複雑な気持ちになった。

あと、母たちは人間と魚のハイブリットと監督が明言しているらしい。
SFホラーなのね。

「哥」

そういえば昔途中でやめた「あさき夢みし」以来の実相寺監督。

これぞATGという雰囲気が心地い。
なんで墓拓をとってんだよ!かっこよすぎ。

音への執着心がやばい。
箒で畳を掃く音や、咀嚼音、余分な墨を落とすため筆をすずりに当てる音など、あゝ変態。

途中でダレてしまったのであんまり覚えてないけど、もっと変態であるべきだと心に誓った。

2016年12月13日火曜日

「リップヴァンウィンクルの花嫁」

岩井俊二監督の新作。
ようやく鑑賞。

おい…まじかよ…。
自分にとって思い出深い「リリィシュシュ〜」「花とアリス」のあの感覚が再び味わえると思って楽しみにしていたのに。

これは…ラース・フォン・トリアーじゃないか!!
ストーリーだけならまだしも、あの映像があるからもう完全に確信犯。
しかも音楽まで!
観たかったのはトリアー映画じゃなくて岩井俊二映画だったのに…。

と、意気消沈していましたが、ラストのくだりは素晴らしかった。
絶望の中で裸踊りをしている、とても人間的で素晴らしいシーンだった。

近年の映画は”主人公の女性は強くなくてはいけない”という妄想に囚われているが、これを期にまたうじうじした女性主人公作品が増えること切に願う。
アイドル映画で、ドラマも見応えがあり、トリアー映画まで網羅してくれる…とんでもない映画だった。

2016年12月11日日曜日

「惑星ソラリス」

満を持しての鑑賞。
タルコフスキーによる「2001年宇宙の旅」への回答…なのか?

序盤の地球の映像は目を見張るほど美しいのですが、SFのセット内の映像はあまり乗り切れなかった。
監督自身、SFのセットに芸術性はなかった、と言っているからなのか、それともただ単に観ているこちらがダレてしまっただけなのか。

またいつかちゃんと観よう。

「嗤う分身」

ドストエフスキー原作らしい。

ドラマ部分は若干消化不良だが、「イレイザーヘッド」を参考にしたらしく、とても好きな絵作りだった。

やたら日本の歌謡曲が流れたり、「1984」のビッグ・ブラザーみたいな人が出てきたりと、とても謎な作品。
今年でいうと「ロブスター」的に部類に属する。

朝霧の中を走るシーンはテンション上がった。

2016年12月10日土曜日

「ジムノペディに乱れる」

劇場:新宿武蔵野館

日活ロマンポルノリブートプロジェクト、らしい。
大人たちのお遊び感満載だなーと思っていたけど、以外と楽しめた。

第一弾は行定監督。
板尾創路の濡場は不快感は全くなく、とてもよかった。
いろいろと笑えたし、ドラマも見所があり、ジムノペディ好きとしてはお腹いっぱいでございます。

それにしてもなんやねんあのラスト。学生映画か!
まさかこのシーンで終わらないだろと思ったら、本当に終わってしまった。
「世界の中心で愛を叫ぶ」を観たのは遠い記憶で、行定監督の作風もほとんど知らなかったのですが、馬鹿にされる所以に触れられた気がする。

ちょいちょい出てくる単語に、「八月の濡れた砂」を匂わされ、とても心地よかった。
果たして全部制覇できるのか。

2016年12月6日火曜日

「ホドロフスキーの虹泥棒」

劇場:アップリンクX

満を持してのホドロフスキー未公開作品!

尊師!あなたも所詮人の子だったのですね!
わたくしは非常に安心いたしました!
こんなに薄っぺらい映画を作れるなんて!
もう失望を通り越して創作への勇気が湧いてきました!

演出は豪華絢爛で流石としか言えないのですが、内容が内容だけにこれなら「アンダーグラウンド」を観るなぁと。

とりあえず最高なのは、娼婦に心臓マッサージされるクリストファー・リーと、圧巻の洪水シーン。
この二つをこんな内容の映画で見たくなかった。

2016年11月30日水曜日

「ズートピア」

劇場で見逃し、やっとの鑑賞。

素晴らしいな…。
アホみたいな数の原案者と、三人の監督が知恵をフル活用して作品のために尽力したことが伺える。

めちゃくちゃ笑った!
劇場で観たかった!

2016年11月19日土曜日

「歌え若人達」

劇場:ラピュタ阿佐ヶ谷

木下恵介は「楢山節考」以来二本目。
なので作風とかよくわかっていなかったのですが、こんな演出をする人なんだと軽い衝撃を受けた。

今でいう「桐島〜」や「ももいろそらを」のようなストーリーで、最後の主演の少年の閉塞感からの解放がとても印象的だった。

学祭のシーンいっぱい笑った。
とてもいい映画だった。

「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」

劇場:ユジク阿佐ヶ谷

ジェームス・ブラウンのドキュメンタリー。
ソクーロフのドキュメンタリーに納得いかなかったせいか、ドキュメンタリー部分だけを見るとこちらの方がしっかりしていた印象。

久しぶりに禿げたおっさんたちに囲まれての鑑賞だったが、それにしては面白くなかった。
多分、彼について詳しくないし、興味もなかったからでしょう。
ただ、彼のダンスはかっこよすぎて脱糞しそうだった。

2016年11月14日月曜日

「ももいろそらを」

素晴らしい映画。
この映画の中で生きていきたい。

2016年11月13日日曜日

「フランコフォニア ルーヴルの記憶」

劇場:ユーロスペース

ソクーロフの新作やで!しかも舞台はルーブルやで!と意気揚々と行ったのですが…。

前情報を入れておくべきだった…。
ドキュメンタリーやん!
映像は素晴らしかったけど、拍子抜けして落胆がやばかった。

劇映画の新作を激しく求む!

追記:
現代パートでの貨物船のラストは描かれなかったように記憶しているが、それは現在進行形だから、ということなのだろうか。

2016年11月8日火曜日

「日本一のホラ吹き男」

「〜ゴマすり男」に続き鑑賞。

面白すぎだろ。
もうみんなこの脚本メソッド使えばいいやん。
こんな生き方に惹かれる。

2016年11月7日月曜日

「M」

フリッツ・ラング三本目。
ラングの初トーキー映画で元祖サイコスリラーらしい。

様々な技法に驚くが、それもラングが作り上げたものも多々あるらしく、感動するばかり。
オープニングの殺人犯の影はしびれるほどかっこいい。

それにしても、ラストの市民(といっても犯罪者がメイン)による裁判シーンの高揚感が最高。
「すばらしい新世界」の後半を読んでいるようだった。
素晴らしかった。

2016年11月2日水曜日

「君の名は。」

劇場:新宿ピカデリー

満を持しての新海誠。
大学の時ずっと友人に勧められており、この監督は観ないだろうな…と思っていたが、ついに観る時が来てしまった。

すばらしい演出力!
イメージしていた作風とは違っていて、拍子抜けした!
「エヴァ破」のあの素晴らしい演出がまるまる詰め込まれていて、設定の粗を気にせずぐいぐいと引っ張っていってくれる。
タイムリープものなんて考え出したら疑問だらけになってしまうのですが、そこはもうわかんないよね?エンタメでいいじゃん!って感じで潔さがあった。

もちろん細かな部分に思うことはいっぱいあったし、物語自体も特筆することはないと思うのですが、設定の曖昧さ(悪い意味ではなく、映画で表現する上で観客に伝えきれないもの)をどう誤魔化し、観客を作品に落とし込めるか、の演出の緻密さに感動いたしました。

一つだけ言うならば、女の子のお父さんのキャラクターがよくわかんなくて、そこも描ききってほしかった。
あとRADWIMPSがうざい。

「シン・ゴジラ」と「君の名は。」はライバルではあるけれど、両作品ともとてつもない演出力で作られた一級のエンターテイメントだった。
あの気持ち悪い第二形態のゴジラを堂々と出した庵野監督と、サドル越しのパンチラ(しかもお尻ではなく股間部!)を堂々と出した新海監督は、方向性は違えど自分の道をひた走っているのだなと胸が熱くなった。ような気がする。

2016年10月30日日曜日

「ノック・ノック」

イーライ・ロスの新作。
なかなか胸糞映画で、「ファニーゲーム」へのオマージュかと思っていたら元ネタがあるらしい。

胸糞具合は最高だったけど、ただ、この作品でこんな形で「Where is my mind」を使ってほしくなかった。

2016年10月24日月曜日

「珍遊記」

ううむ…。
面白いとこもあったけど、基本的に微妙だった。
ずっと一本調子で緩急があまりない。

まあ開き直る映画だからこれでいいんだろうけど。

「テッド2」

不思議と劇場で観るとつまんないけど、小さな画面で観ると面白い映画。

2は1より面白かった気がする。
細かな映画ネタがいちいち面白かった。

こんなにギークなネタばっかりなのに、なんで女はこの映画に群がるのか。
可愛いキャラが下ネタ言ってりゃいいのか。

ジョギングしている人に屋上からリンゴを投げつける遊びに爆笑した。
真似したい。

2016年10月23日日曜日

「幻の湖」

日本のカルト映画で有名な一本。
監督・脚本は橋本忍!
大学の時、友達と部室で盛り上がってから約十年、やっと観た!

なんやねんまじ!
書きたいことはいっぱいあるのですが、多分もういろいろ語り尽くされていると思うので何も書きません。

そういや「ジョン・ウィック」で子犬が殺されただけで 〜みたいなこと言われてるけど、こっちが先だからな!
映画ってなんなんだろうほんと。

追記:
そういや関根恵子さん出ていてテンション上がった。

「黒い十人の女」

やっと観た。
市川崑監督、奥様脚本。

こんなに面白い映画だったのか!
女の嫉妬、妬み、自意識、社会問題、そして愛と憎しみがごった煮されているのに、テンポと演出によって観ていてめちゃくちゃ心地よい。
夫婦のなせる技だな。
男の名前が”風”という名前もまた秀逸。

幽霊が画に入ってくるシーンの緊張感とかもう最高。
あと中村玉緒がめちゃくちゃ綺麗。
今ドラマもしているそうなので、それも見てみたい。

2016年10月21日金曜日

「人間の値打ち」

劇場:Bunkamura ル・シネマ

全く前情報なく鑑賞。
オープニングのおっさんのこれから落ちていく感がすごく、とてもワクワクしたが、内容はいたって普通だった。

群像劇の流れはとても楽しめたが、ラストのカタルシス的なものがなく、余韻もさほどなかったのが残念。
主演の女の子がとても可愛かった。

周りは年配の人たちばっかりだったが、なぜこの映画に集まったのだろう。


2016年10月14日金曜日

「マジカル・ガール」

とんでもない映画を観た!
雰囲気、物語、ブラックユーモア、想像を掻き立てる演出…全てが丁度良いバランスで構成され、観ていてとても心地よかった!

ハートフルなブラックコメディだと思っていたら、少女の◯◯シーンで笑ってしまった!
なかなかできない!

今年上位に入る感動をありがとう。
これぞファムファタール映画!

「追憶の森」

ガス・ヴァン・サントの樹海映画。
彼がサバイバルものを撮ったらこうなるのか…と半ば諦めで見ていたが、いわゆるオチの部分でそれなりに満足した。
でもなぜ渡辺健なのかは不明。
違う人でもよかったんじゃ…。

最後再び樹海へはいるマシューが酷い。
おまえはアホなのかと。
せめてトートバックでいいから持って行ってくれ!なんも学習してへんやん!
紙を丸めて落としていく主人公に、人間ってほんと馬鹿なんだと絶望を感じた。

2016年10月13日木曜日

「ロブスター」

ウェス・アンダーソン的お洒落映画かと思っていたけど、全然そんなことなかった。

両極端な世界のそれぞれの事情が淡々と映され、これが言いたいんだよぼかぁ!という製作側の押し付けもなく、只々奇妙な映画。

もっと考えて観たらなにか発見があるのかもしれない。
それなにり楽しめたが、若干乗り切れなかった。

「デッドプール」

最近アメコミ映画が多すぎて、もう劇場に行くのは諦めました。

巷であまり楽しめなかったという意見をちらほら聞いていたけど、どの辺なんだろ。
個人的にはいつものアメコミ映画のノリで普通に楽しめた。

オープニング始まってなんか「ファイト・クラブ」ぽいなと思ったのですが、回想の使い方がやっぱり「ファイト・クラブ」だった。
思っただけなので参考にしているかは知りませんが。

面白かった!

「めめめのくらげ」

え…なにこれ…。
もっとオリジナリティ溢れる未知の映画を期待していたら、大量の既視感と勉強不足を自ら露呈しているクソ映画だった!

少女のお供をでっかいチンコにするのはいいけど、そんなんやる前にもっとやることあるやろ!
いやー酷かった。

「少女」

劇場:渋谷TOEI

暇を持て余し久々の劇場へ。
周りは大学生くらいの少女 …?たちばかりだった。

内容はいわゆる、 “思春期に妄想する青春”で、痛々しいやら小っ恥ずかしいやら、なかなかむず痒い物語だったが、展開が面白くなかなか楽しめた。
おそらく原作ではもうすこしちゃんと人物像が描かれているのだと思う。

でもゴローちゃんに起こるあの悲劇だけはほんまにあかん。
現実味が無さすぎて怒りで脱糞しそうになった。
あれがなければもっと楽しめたのに…。

すげー新人だ!と思ったら、クレジットで驚愕した。
この人が本田翼だったのか…。
演技もっとやってほしいな。
死んだ目と椎名林檎みたいな口元に萌えまくった。

中 、高あたりで観ていたら何かしら感化されていたと思う。
「リリィ・シュシュのすべて」「告白」同様、思春期に観てさらに拗らす為の映画。
あとエンディングがめっちゃかっこよかった。

2016年9月30日金曜日

「ストーリー・オブ・クロコダイル」

クエイ兄弟二本目。
ストーリーは「ピアノチューナー・オブ・アースクエイク」と同様よくわからなかったけど、随所に見えるフェチズムと、機械的な構造をした美術の美しさに酔いしれた。
ビスが自ら抜けていく表現はクレイアニメにとって至高の手法だな!

あと、編集さんのアニメの針が体を通る表現はここから来ていたのかと発見した。

「ヘイトフルエイト」

劇場で観たときよりもつまらなく感じた。
会話劇は面白かったんだけど。
また時間をおいて観てみよう。

2016年8月10日水曜日

「   」(演劇)

飴屋法水さんの新作。
本谷有希子さんという、芥川賞を最近取られた作家さんとの共作。

本谷さんの子供に対する思い…一部自意識強めな表現に、これ大丈夫かしらと持っていたら、後半怒涛の飴屋さんのターンで最高のカタルシス!
と書いていて思ったけど、これ「シン・ゴジラ」と同じ構図じゃないか!違うか!
表層的で詩的な表現(と自分には感じられた)VS白痴を装った風にまでとれる言葉の暴力!最高!

今回の飴屋さんはぼそぼそ喋るんじゃなくてひたすら大声で喋り散らしていたことや、ドイツ人の喋り方などで、とてもメルヘンで寓話的に感じられた。
言葉を埋める行為もしかり。
あと我が子の命を外人に預ける演出は素晴らしかった。
映画じゃなかなか難しいな。

言っても本谷さんの本は読んだことないし、飴屋さんの舞台はまだ3回目なので、二人の作風を分かりきっていない部分はある。
自分は飴屋さんの作品では「ブルーシート」が一番良かった。

パンフレット(一枚のA4の紙)に本谷さんは”言い出しっぺ”と併記されていた。
これがとてもヒントになっているのかもしれない。

2016年8月4日木曜日

「シン・ゴジラ」

劇場:TOHOシネマズ新宿

巷ではエヴァだエヴァじゃないんだ論争が巻き起こっているようですが、こんなもんどう考えてもエヴァだろ。
監督が同じ時点で因果関係が無いものになるはずがない。特に作家性の強い監督なら尚更。

映画の内容は完全にシミュレーションだった。
「現代の日本にゴジラが現れるとどうなるのか」というシミュレーション。実際に自衛隊と政府にかなり取材したらしいので、(全て事実かは知らんけど)違和感なく楽しめる。
あとみんなひたすら喋る。「ソーシャルネットワーク」と同じく、倍近くあるシナリオを早口にして二時間に収めたらしい。
詳細は頭に入ってこないが、それっぽさ(明朝体とあの音楽と説明くさい台詞のあれ)は抜群にあるので、とてもいい味付けになっている。

素晴らしかったのは、中盤の夜の戦い。
あんだけガッチガチに日本政府の対ゴジラへの作戦基盤を描いといて、一瞬で総理大臣もろとも粉砕してしまうあの演出の凄さ!
しかもこれって火の七日間やん!
庵野監督は、宮崎駿という巨神兵の呪縛から逃れられないのか …。

と、しょぼいCGでうねうね動く進化前ゴジラとか、背中からレーザーを出すゴジラとか、どんな自由な庵野版ゴジラも驚きと尊敬と一部暖かな目で楽しめたのですが、最後の尻尾のカット…あれはあかん!あれはあかんでー!!

2016年8月3日水曜日

「イディオッツ」

トリアー「黄金の心三部作」の二作目と同時にドグマ95の二作目でもある。

障害者のふりをして人々を弄ぶ集団の物語。
面白かったんだけど、考えるのを放棄して鑑賞していたため、「奇跡の海」「ダンサー・イン・ザ・ダーク」ほど楽しめなかった。
次はもうちょっと考えながら観たい。

2016年7月30日土曜日

「GONIN サーガ」

石井監督の新作!
しかも続編!

石井監督は演出が雑なんだけど、決めるとこはバチっと決める。
佐藤浩市のシーンとか、「GONIN2」の奥さん目が開いていた時くらい動揺した。
面白かった!

2016年7月26日火曜日

「スーパーマリオ 魔界帝国の女神」

やったぜDVDレンタル化!!

子供の時はマリオの世界観についてよく知らなかったので、ヨッシーがガチのティラノサウルスでも、キノコが腐ったキ◯タマみたいでも違和感なんて感じなかったけど、今見ると違和感を通り越して恐怖!!
なんでこんな企画通るんや!

「MIB」や「ヘルボーイ」的、扉を開けると違う世界が広がっている感は最高。
デニス・ホッパーほんま頭おかしいな!

「風立ちぬ」

岡田斗司夫氏の評を聞いて再び鑑賞。

「エヴァンゲリオン」への回答、というのはとても納得した。
声優に庵野を指名した時点でもう悪意しか感じられない。
大傑作やな。

2016年7月24日日曜日

「完全なるチェックメイト」

ボビー・フィッシャーの対ソ連戦の話だと知り鑑賞。

彼の話は調べると面白い。
オープニング、日本のニュースも混じっていたので、羽生善治のくだりもあるのかと思ったけど結局そこまでいかなかった。残念。

特に後半は楽しめたが、ロン・ハワードならもっと面白くしてくれたと思う。

2016年7月23日土曜日

「イット・フォローズ」

「ハロウィン」を意識したらしく、ポスターまでカーペンター臭がする。

撮影がとても良く、B級ホラーなんだけど、絵と演出がかなり作りこまれていて、ジャンルものと感じさせなかった。

お母さんに犯されるシーン笑った。
面白かった!

「シャッターアイランド」

たまに無性にあの幻想シーンを見たくなる。
妻が灰になってしまうところ。

相変わらずエンディングが素晴らしい。

2016年7月16日土曜日

「映画は映画だ」

キム・ギドク原案と聞き、早速鑑賞。
確かに「地獄でなぜ悪い」ぽさがある。

最後の最後まではまりきらなかったけど、
やくざ役の人はかっこよかった。韓国のオダギリジョーなのか。

「セッション」

少し前の話題作。

面白かったけど、最後の最後、先生あそこまでするか?と。
演出が全てにおいてとても過剰だったので、個人的にはもう少しファンタジー要素があったらとても楽しめたかもしれない。「ブラック・スワン」のような。
でもそうすると客を選んじゃいそうな気もするし、これでいいのか。

あの劇場に元カノは来ていたのか。
気になる。

「FAKE」

劇場:ユーロスペース

二度目の鑑賞。
あまり深く考えずに観れた。
面白かった!

2016年7月9日土曜日

「FAKE」

劇場:ユーロスペース

「A」シリーズの森達也監督の新作。

めちゃくちゃ面白かった。
とにかく構成が面白い。
森達也監督のしたたかさが端々に見てとれ、いちいち笑える。
新垣さんのサイン会に、名前書いてもらっていいですか?と問いかける姿など、卑怯すぎる。

この映画のタイトルやラストシーンでもわかるように、監督は佐村河内守という人間に迫りたかったのではなく、何が本当なのか、何を信じるのか、というテーマを、この騒動を通して、問いかけることがやりたかったでしょう。
この映画を佐村河内の真実!として観ると、そりゃなにも解決しません。
佐村河内さんを被写体にすると考えたとき、こりゃいい題材だぜ!と森監督がほくそ笑んでいる姿が眼に浮かぶ。
これは「ザ・トライブ」を見た時の感想にとても似ている。
果たしてそれがドキュメンタリーと呼べるのか、というところで、議論は振り出しに戻ってしまうのでしょう。

このフライヤーを見て知ったのですが、「E」は霞んでいるのね。
佐村河内氏も、森監督もいろいろ怖いわ。